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まえがき
 インターネットが私たちの身近なものになってから既に数年の月日が流れ、今では多くの人がその多彩なサービスを日常的に利用しています。インターネットは、ホームページに象徴されるように、世界中に存在する不特定多数に向かって情報が発信されるところに大きな特色があります。ところが、インターネットが老若男女を問わず誰でも楽しめるコミュニケーションメディアとして親しまれているその一方で、不用意な情報発信によって見る人に不快感を与えたり、ときには人権の侵害にあたるような事例も多く報告されるようになってきました。
 インターネットを利用する人は、自分が接続したネットワークにおける個別のルールを守るだけではなく、その先につながり、世界中に広がる他のネットワークとその利用者に対しても、社会的な配慮をしなければなりません。個々のネットワークの領域を超えて情報やサービスが往来するインターネットを利用するときに、まず知っておかなければならないことを基本事項として整理しました。
 また、追加事項として本学で必要とされる項目に印をつけてあります。印のついたものは学内でのネットワーク利用はもとより、学外におけるネットワーク利用も含んでいます。
 
1 基本事項
1)一般的な注意
 快適なインターネット環境は、相互に接続されたネットワークをそれぞれの利用者が適切に利用することによって初めて実現されます。インターネット利用者は、インターネットが一つの社会であることを認識し、その一員としての自覚と責任を持つ必要があります。
 
2)自己責任が原則であること
 インターネットを利用して情報を受信したり発信したりするときには、それによって生じるリスクや社会的責任や法的責任を自身が負わなければなりません。
 
3)文字による通信が主体となること
 インターネットでは文字によるコミュニケーションが大きな役割を担っています。ちょっとした表現が誤解を招いたり争いのもとになりますから、言葉を選んで相手を傷つけることがないように心がけましょう。
 
 
2 セキュリティ
 セキュリティとは、インターネットを安心して利用するために注意を払うべき安全対策のことをいいます。インターネットは誰にでも開かれている自由な社会ですが、まだ秩序が整っていない発展途上の場という側面も持っています。自分の身は自分で守らなくてはなりません。したがって、侵入者や違法な行為を行う人々を日頃から十分認識しておくことが大切です。
 
1)パスワードを管理すること
 インターネット等に接続するために、打ち込んだりコンピュータに設定しておいたりするユーザIDとパスワードは、あなたが正当な利用者であることを証明する情報です。キャッシュカードの暗証番号のように、あなたの財産とプライバシーを守っているだけでなく、コンピュータシステム全体を不正なネットワーク利用から保護する役目も果たしています。
 ユーザIDとパスワードを他人に利用されないようにすることは、インターネット利用者の大切な義務です。
 
2)プライバシーの守り方
 なんらかの必要からインターネット上に個人情報を発信するときには、それによって生じる利益だけでなく、発生する可能性のある不利益にも配慮する習慣をつけましょう。銀行口座の暗証番号やクレジットカードの番号を人に知られないようにすることはもちろん大切ですが、あなたがどこの誰なのかを知られてしまう住所、氏名、電話番号、生年月日などの個人情報にも注意が必要です。
 電子メール、メーリングリスト、ホームページに署名をしたり、連絡先を記述するときには、個人情報の記述に注意しましょう。懸賞やアンケート調査を装って個人情報を集め、宣伝のメールを送りつける業者もあるので、そのホームページの運営者が信頼できるかどうかに注意して利用しましょう。
 
3)コンピュータウィルスに注意する
 コンピュータウィルスと呼ばれる悪質なプログラムに感染すると、その種類によってコンピュータが動かなくなったりファイルが壊れたりと、さまざまな障害がでます。コンピュータウィルスはプログラムやデータを媒介して伝染するので、知らない人から来た電子メールや添付ファイル、ダウンロードしたり外部から持ち込まれたりするプログラムやデータを開くときには注意が必要です。
 ファイルをアップロードしたり、電子メールに添付して送信したりする場合には、あらかじめウィルスに感染していないことを確かめる習慣をつけましょう。
 外部からプログラムやデータを取り入れるコンピュータを利用する場合には、予防のために、ウィルスを検知するソフトウェアで点検するようにしましょう。
 
4)コンピュータウィルスへの対策
 ウィルスの感染を即座に知らせ、これを無効にする専用のソフトウェアが市販されています。これらは一般に「ワクチンプログラム」と呼ばれ、あらかじめインストールしておけば、外部から持ち込まれるプログラムやデータがウィルスに冒されていないかどうかを監視してくれます。毎日のように新種のウィルスが発見され、報告されていますから、ワクチンプログラムにはこまめにインターネットから最新のデータをダウンロードし、新種のウィルスにも対応できるようにしておきましょう。
 ワクチンプログラムを用いても、残念ながらウィルス対策は万全とはいえません。定期的にデータのバックアップをとっておけば、万一ウィルスに感染しても被害を最小限に抑えることができるでしょう。
 
 
3 関連法規
 私たちが社会生活を営む上で、いろいろな法律や規則を守らなければならないのと同じように、インターネットを利用する際にも、これらの法律や規則を守らなければなりません。インターネット上の行為であっても法律に違反するものは罰せられますし、もちろん知らなかったで済ませてはもらえません。あなたがしたことの責任をとるのは、あなた自身なのです。
 ここではインターネットをはじめてまだ日の浅い利用者が、特に気をつけなければならない事例について紹介します。もちろん、これがすべてではありませんから、自分の行為が社会的に責任を問われることがないかどうか、よく気をつけましょう。
《取り上げた行為》
 ・著作権の侵害
 ・肖像権の侵害
 ・プライバシーの侵害
 ・他人の社会的評価にかかわる問題
 
1)著作権の侵害
 文章や写真、音楽、ソフトウェアなどの著作物に関する権利は、著作権者だけが持っています。私たちがこれを複製、転載したり、改変したりする場合は、著作権者の許諾を得なければなりません。
 作権は著作物を作成した人(著作者)に何ら手続きを経ることなく発生しますが、その全部または一部を他人に譲り渡すことができます。したがって、著作者と著作権者が一致しない場合があることに注意しましょう。また、インターネットでの著作物の利用に際しては、以下のような利用が著作権の侵害にあたりますので注意しましょう。
 
2)肖像権の侵害
 本人の許可なく、その顔や容姿などを撮影し、その写真をホームページなどで公表すると、肖像権の侵害として訴えられ、損害賠償を請求される可能性がありますので注意しましょう。
 
3)プライバシーの侵害
 他人の私生活に関わる各種の情報を本人の了解なくインターネットでみだりに公開すると、プライバシーの侵害として訴えられ、損害賠償を請求される可能性があります。電子メールやホームページ等で他人の氏名、住所、電話番号などの個人情報を表示するときは必ず事前に本人の了解を得るようにしましょう。
 
4)他人の社会的評価にかかわる問題
 他人の社会的評価(世評・名声)を低下させるようなものをホームページに掲載すると民事上の責任(損害賠償責任)を問われる可能性があります。また、場合によっては刑事上の責任(名誉毀損罪/侮辱罪)を追求される可能性もありますので注意しましょう。
 
 
4 電子メール
 電子メールは封のできない手紙に似ています。葉書より沢山書けて、ちょっとした電子ファイルを添えて送ることができますが、セキュリティはそれほど高くありません。たくさんのネットワークを経由して届けられることから、配達の途中で紛失したり覗かれたりする危険が伴うことを認識しましょう。
 
1)通信の注意
 すぐに配達される電子メールは会話のように気軽に楽しむことができますが、顔の表情や声の調子が一緒に伝わる会話と違って文字だけによる通信ですから、メッセージがどのように相手に受け取られるかには十分に注意しなくてはなりません。原則的には書面による通信と同じく慎重な心遣いを大切にするべきでしょう。言葉をよく選び、誤解や失礼のないように気を配ってこそ、電子メールの恩恵をより多く享受することができるでしょう。
 
2)電子メールの文章の書き方
 インターネットでやり取りする文章は、読みやすさに配慮してまとめましょう。コンピュータの表示は、字と字の詰め方、行間の取り方が自由にならないことから、書面にくらべて読みづらくなる傾向があります。段落ごとに一行空けたり、きりのよいところで改行したりするなどして、読みやすくする工夫をした方がよいでしょう。
 
3)題名(タイトル、サブジェクト)のつけ方
 電子メールの題名(タイトル、サブジェクト)は、その内容が一目でわかるような簡潔なものにするよう心がけましょう。メールの内容が長文であるような場合には、そのことを断っておく方が親切です。また、海外に向けた送信では、日本語が適さない場合もありますので、気をつけましょう。
4) 使用する文字やメール形式の注意
 インターネットには多種多様なコンピュータが接続されており、文字コードの割り当て方にも色々な種類があります。ローマ数字を1字にデザインした文字や、マルつき数字(輪のなかにアラビア数字が配置されている文字)など、よく見かける記号のなかにも機種によって互換性がないものがあります。もちろん、自分で作字した文字が相手のコンピュータで表示されないことはいうまでもありません。これらの記号や文字はインターネット上では使用しないよう心がけましょう。また、いわゆる半角のカタカナは、UNIX系の機種では表示されないだけでなく、インターネット上の他のコンピュータを誤作動させる可能性があるので、使用してはいけません。
 
5)ファイルを添付する
 自分が送信しようとしている電子メールの容量に注意を払いましょう。容量の大きなメッセージや添付ファイルは、宛先のコンピュータシステムや途中経由するインターネットサーバの故障を誘発する可能性があります。送信しようとしているメッセージや添付ファイルの容量が大きいと思うときは、相手先に確認してから送信しましょう。
 また、ファイルの添付方式はメールソフトに依存するので、自身や相手のメールソフトやその設定を事前に確認しておくとよいでしょう。
 
6)チェーンメールに注意する
 「不幸の手紙」のように、はっきりと相手を特定しないで伝言を求める電子メールを「チェーンメール」と呼びます。チェーンメールはネットワークに負担を強いることから、たとえそれが親切のつもりであってもしてはいけません。
 
7)セキュリティに気をつける
 電子メールは、ネットワーク上のいくつものコンピュータを経由して相手に届きます。封をしない手紙と同様に、クレジットカードの番号やパスワードなど他人に知られてはいけない情報はもちろん、秘密にしておきたいことは書かないようにするのが賢明でしょう。簡単に見られては困る場合には、通信文を暗号化するなどの自衛手段をとるようにしましょう。
 
8)受信した電子メールを公開しない
 電子メールの内容を他の場所に転載したりすると著作権の侵害にあたる場合もあります。また、あなた以外の人に知られることによって本人の名誉が傷ついたり、プライバシーに関する情報が漏れて迷惑をかけるかもしれません。
 受け取った電子メールを転送したり転載したりする場合には、本人に連絡して承諾を得るのがよいでしょう。私信である電子メールをホームページなどの公開された場所に掲載するときは、ことさら慎重に取り扱いましょう。
 
9) 読んだメールは削除する
 メールも掲示板もシステム資源を消費するものであることを覚えておきましょう。受信・発信メールボックスに留置しているメールについて、保存が必要な場合は各自の記憶媒体に保存し、保存が完了したメールは削除してメールボックス内には留置しないようにしましょう。
 
5 ホームページ
 誰でも放送局のように広い範囲の人々に向かって情報を発信できるホームページは、インターネットの大きな魅力の一つとなっています。しかし、誰でも簡単に情報を発信できるということは、発信される情報の質が、必ずしも放送局と同じようにはならないということでもあります。
 
1)内容の信頼性
 ホームページを閲覧する人は、情報が正確なものであるか、最新のものであるかについて、自分の責任で確認することが求められています。以下のような点を目安にして、総合的に判断しましょう。
 ・発信者の連絡先は明記されているか
 ・引用の出所や情報の確認先が明示されているか
 ・ホームページの更新日は表示されているか
 ・長い間運営されてきたホームページかどうか
 ・他のメディアで情報の裏づけができるか
 
2)有料か無料かの確認
 ホームページ上の情報が無料なのか有料なのか、よく確かめてから利用するように心がけましょう。ホームページによっては、専用ソフトからダイヤルQ2を利用して接続させるものもあり、不意に高額の情報料を請求される場合もあるので注意しましょう。
 
3)作成したホームページの内容に責任を持つ
 ホームページに掲載する内容には責任を持ちましょう。誰に何を伝えたいのか意図を明確にして、あなた自身のオリジナルなホームページにするよう心がけましょう。
 
 特に大学の研究室またはサークルなどの内容をホームページに掲載する場合には、慎重に取り扱わないと本学のイメージダウンに繋がります。研究室のことを掲載する場合は、必ず事前に担当教員に知らせるか、了解を得るようにしましょう。
 
4)著作権を侵害しない
 文章や写真、音楽、ソフトウェアなどの著作物には著作権があります。他人のホームページや電子掲示板や雑誌に載っている著作物を、無断で使用してホームページを作成する事のないように、著作権侵害には注意しましょう。
 
5)誹謗・中傷しない
 ホームページ上で人を批判するときには、相手の人格を否定するような過激な書き方をしてはいけません。あまり度が過ぎると、法的な責任を問われる深刻な事態になることがあります。
 
6)他人のプライバシーに配慮する
 他人の住所、氏名、電話番号などはもちろん、他人の私生活上の事実や秘密、写真や似顔絵などを本人の許諾なくホームページで公開してはいけません。その人に嫌悪、羞恥、不快感など精神的苦痛を与え、プライバシーや肖像権の侵害となる他、場合によっては名誉または信用の毀損となります。
 
 匿名でホームページ上の電子掲示板等に個人情報あるいは噂話を掲載することは、悪質な手口です。本学の品位を疑われ、社会的評価も低下させます。本学に関係している人への不満は、直接本人に、それができなければクラス担任や、人権委員会でお知らせしている窓口相談員に話をしてみましょう。
 
出典:財団法人インターネット協会
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